12月の公開講座の感想
誰もが望む人間向きの文化は「何に」よって創られていくのだろうか?
今回の講演者はこの素朴な問いに10年の歩みの語りをもって参加者に伝えていた。先駆者や旧施設もその一役として否定無く進展する美里ヒルズに人間達の崇高な姿を観たのは私だけではなかった。参加者の感想を記しておきます。
■参加者 竹本広(鈴鹿市) 今回の理想の暮らしを語る会の講演は、津市の郊外にある特別養護老人ホームの美里ヒルズから来ていただいた施設長の世古口さんの講演であった。 聞きながら、3年前に妻の父親が介護施設で亡くなった時のことを思い出していた。 ダブらせながら聞く自分であった。 入院中は痴呆も入ったのか治療器具を手で外してしまうので、ベルトで手をベッドに縛ったりと不自由な思いをだいぶさせた。
世古口さんのいる特養「美里ヒルズ」はユニットケア方式でやられていることを聞き、義父のいた施設とはだいぶ違うなと思い、義父に対する申し訳ないような複雑な気持ちもわいた。 最後は家族と一緒に過ごして欲しいと義父への思いはあったのだが、80才を過ぎた義母と仕事を持った私たち夫婦での家族での介護では、胃瘻と痰吸引のある義父の看取りは負担が大きすぎ、介護施設に入っての最期を選択した。
今、義母は84才、今は同じマンションの一階に一人で暮らしている。 食事を持っていったり3階の私達の部屋で一緒に食べたりなのだが、今は自分の事は自分で出来る暮らしをしているが、寝たきりになったらどんな体制の介護になるか、看取りが出来るのだろうか? 想いながら聞いてもいた。
施設に入るということは本人にとって暮らしの変化がとっても大きいとのこと。 3つの苦難(家では無く施設に入る事・自分の暮らしが自分でコントロールできなくなる事・今までの暮らしからの変化で非日常となる暮らしになること)など説明を聞きながら、変化への対応をしていく本人に、だいぶ重圧になることなんだなと思った。
5つの落差(自分の家でなくなるという空間の変化、自分で好きな時間に好きなことをできなくなる自由なる時間への変化、施設内には規則があり管理的な視点で職員が接してしまう、言葉でも職員からは命令的になりやすい、お父さん・お母さんとしての今までの役割が喪失して自分をスタッフに委ねる暮らしへの変化)、旧来の養護施設で問題になっている視点と、そのことの改善への試みが全職員を挙げて3年間の歩みと学びをしてきた「美里ヒルズ」の実態を話してくれた。
聞きながら今までをそのまま素直にオープンに話す姿に、何か施設長としての世古口さんの取り組みや、人柄の温かさを思った。
「施設はどこまで加入者の住まいになっているか?」、そのことが、みんなでの話し合いによって進んでいったことがうかがえたし、「美里ヒルズ」の今が、入居者にとって快適な養護施設に変わっていきユニット型特老の先進をいっている感じも伝わってきました。
職員を入居者に固定的に配置することによって、担当の入居者の情報が多く持て、きめ細やかな対応が出来ることへのシステム化、又、10人単位で入居者を見ていっても、全員がお互い仲良くなれなくても良い一人一人の気持ちにそった形での対応をする等、入居者一人一人に寄り添う形での運営の確立など、やはり、みんなでの話し合いがあったなればこその事なんだなぁと思いました。
「施設はどこまで住まいになっているか?」各部屋の入り口ののれんを無くし、また、げた箱を置き、今まで住んでいた自分の家のように、入り口を玄関にしていく工夫などをしていく中で、職員が部屋に入る時には自然と声をかけて入るようになったりと、細やかな対応が職員のこころに浸透している姿も「話し合いによって」進んでいったのかと思った。 車椅子の入居者からも見下ろせるすわっての職員の対応に表れたりと、共感してくれる職員に「あの人なら安心」出来ると、住まいに安心の暮らしを実現している「美里ヒルズ」の実態を思いました。 入居者にとっては接してくれる職員のこころの状態が、何よりも大きく影響を与えるのかな! 話し合いの場・学びの場の重要性を大切にしている世古口さんの姿勢がどのように作られたのだろうか、興味もわいた。
排泄物の処理は必ず一人づつしていたり、お祭りは地域のお祭りに参加、家族と一緒に食卓を囲むことができたり、誕生日も一人一人それぞれでやったり、スナックもあり、マッサージもありと、住まいをそこにつくっている。 施設内に喫茶店をつくり、売店をつくったりと街の雰囲気を作り出しているとの話もありました。 個別対応の姿として、居住者の家族との旅行も家族旅行を手伝うという姿勢だと言う、そこに一人ひとりの暮らしに柔軟に寄り添う考え方が現れている感じもしたし、入居者ひとり一人に寄り添うユニット方式の特養の特徴も思いました。
近くにこんな特養があったら義母の入居をお願いしたいと思ったし、自分もこんな特養に入っての最期を迎えたい。
色々な施設の関係者の見学もあるとのこと、地域の模範ともなっている特養なのかなと思いますが、した。どんな感じで模範となるような特養になっていったのだろうか? やっぱり、施設長をはじめとしてみんなで話し合いを持ち、意識改革をしていった結果なのかな! 職員一人ひとりの気持ちやこころの状態が育っていくことがポイントかな! 施設長の介護の理想に対する情熱を思いました。
そう遠くない時期に自分も介護施設に入る事になると思うが、居入者の生活に寄り添うこんな施設があちこちに出来ていって欲しいと思ったし、ここ鈴鹿でも作ってみたいとも思いました。 「''介護,,実は人間らしさを取り戻す文化活動だった!」このテーマで世古口さんに話してもらえたのですが、また聞いてみて、人として生まれ、人の中に人として生き、人に見守られる中人としての最期を迎える、常に人間を生きる文化、介護の中に人間主体文化を思いました。
■参加者 佐藤慎時(鈴鹿市) 講師 世古口正臣さん の温和でやさしそうな、人柄が、印象的、良かったです。 施設の改善、取り組みに関して介護支援者 との垣根が、薄い感じ、人間として扱う、 尊重している 感じを 受けました。 義理の母が、現在、入局している、現状の老健(静岡)と比較しても、ハッキリ違いがわかりました。 今回説明された施設は、自分の住まい を意識しての、空間、環境が、とても、居心地の良さそうな、印象を受けました。 もし、将来、自分の親が、入居する事になったら、こういった施設だったら、安心できるし、入居を勧められそうです。 それは、家庭的な部屋の作りもさることながら、そこで、働くスタッフの人達が、介護支援者に対して、一人、一人を、ひとりの人間として扱っているのが、伝わってきました。 この講座の話が、聞けって、とても良かったです。
最後に・・ 老健など、介護施設は、 どこも、幼稚園みたいな処と、思っていましたが、(諦めている感じ) こんな、老健が、あること、取り組んでいる、方々がいる事に、驚きでした!