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頑張らなくていい

---公開シンポジウム「自分らしく生きる」外気が涼しく感じるようになってきています。 秋って、ふとわが心のなかに、風がすっと吹き込んできて、ときに自分の内面に焦点が当たる、そんなことないですか?

10月一週目の土曜日、理想の暮らしを語る会の公開シンポジウムが鈴鹿カルチャーステーションでありました。 テーマ「自分らしく生きるーー人生を振り返る」

公開シンポジウムでは、3人の方から、そのテーマで語っていただきました。

それぞれ、ご自分の内から湧いてくる思いを素直に聞かせてもらい、しみじみとした気持ちになりました。

金治智計さん(64歳、7年前から人工透析暮らし) 「透析をはじめたころ、勝手な生活していて、お医者さんから叱られていた。その頃ビルの上に行ったりすると、下に吸い込まれていく感じがしたり、こんな自分が生きていても意味ない、税金で透析していて、一人でも減ったほうがいいかな、とか。 それが、最近、声かけられて、この会に参加したり、鈴鹿にはサイエンズ研究所というのがあるんですが、そのゼミに参加するようになって、何か希望が湧いてくるようになりました。透析は、月水金と夕方4時まであるんですが、ちょうどゼミが月水金の夜、あるんです。 ぼくは、しゃべらないけど、みんなの話を聴いていると、日々同じことの繰り返しと思ってきたんだけど、本来の人間の姿を知っていこうすると、日々変化していることが分かってきて、嬉しいんです」

岸浪和子(71歳、看護師、リウマチと付き合う) 「この歳になるまで、自分って何だろう、なんて考えてこなかったなあ。 昨年、仕事をやめて、鈴鹿でやっている内観コースに参加したの。 これまで、あれも出来る、これも出来ると、やることに眼がいっていた。 出来ない人がいるとあの人は、どうなってるの?と思ったり。 はたけ公園のイベントでカレー出したんだけど、何度もお替りする人を見て、責めたりする気持ちが、ポッと出てくるのよね。 内観のあと、そういうのって、自分のなかのどんなところからでてくるのか、立ち止まって考えられるようになったの。 自分の気持ち見てこなかったのね。他の人の気持ちにも関心がなかった。 やることが大事で、自分に頑張ってきたし、他の人にも求めていた。 頑張らなくていい。一人で生きてきたんじゃないのよね。 内観でそのことが見えたの。 自分が実際、どんなかを知ったら、もっと人に甘えたい、心底甘えたい、人にも甘えてほしい、って気持ちが湧いてきたのよね。毎日が面白いの」

井川道男(65歳、サイエンズスクールの内観スタッフ) 内観がどんなものか、参加者の感想も交えながら語っていただいた。 「奈良の内観研究所の案内では、まず”心の窓をノックしよう”とあります。 人生の休暇、一人静かに自己を見つめてみる機会、と言えますか。 母や父、身近な人などについて、幼少期から今に至るまで、世話になったこと、して返したこと、迷惑かけたことなど、時期を区切って思いだしていくんです。 やっていくと、そのときの自分の気持ちや、母や父の気持ちがどんなだったかと、知りたくなってきます」参加した人の感想も紹介してくれました。 「内観で発見しました。してもらってばかりで、恩返ししていない。 心からあの時助けてもらってありがとう、と出てきました。 自分や他の人の気持ちを考えることしてこなかった」「自分一人で頑張ってきた。実際は、たくさんの人に支えてもらって、大切にされて来た存在、自分で我を補修しなくてもいい、もともと自分でなんとかするなんてことしなくてもいい、心の中が自由になりました」

3人の話のあと、参加者20人で感想を語り合いました。 「自分が育ってきたこと振り返っても、外からの教育で規格化された感じで、のびやかでなかったなあ。 うつの人が増えても、仕方ない。 頑張らないでいい、自分らしく生きる、内観に行ってみたい感じがする」 「最近、内観に参加した。嫌っている人についても、調べてきた。ゆっくり調べていくと、その人の外観ではなく、その人の本当の姿、何がその人なのか、見えてきた。 自分もたくさんの人に迷惑かけてきたけど、今は、もっと迷惑かけていいんだ、となってきている」 「看取りをやっている人が、死んでいく人から五つの後悔を聞くという話がある。今日、みんなの話を聞いていて、内観などで本来の人の姿に焦点が当たっていたら、後悔というより、むしろ自由な感じで死んでいけるのかなと思った」「透析って、食事など暮らしに制限がある暮らしでは、出来ないことがいっぱい。それで、死んでいく。 つらいときもある。でも、つらいけどそれが喜びにかわるときがある」 みんなで出し合っていくうち、「甘える、甘えられる」「迷惑をかける、迷惑をかけられる」って、どんなことだろう、という問いかけを各自にするような空気になりました。 残念ながら、今回はそこまで。 次回、また、語りあいたいなあ、と余韻漂うなか、散会しました。 秋、深まりゆく気配・・・


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